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田中英一
天然木を、丸太から何年も寝かせて
無理なく乾燥させてから、ていねいにつくられる、
子どもたちのための椅子があります。
木は、東北で育ったブナを使い、
汚れにくく、掃除しやすく、
ハードな使われかたにも耐える、
オイルをベースにしたウレタン塗装。
だから、天然木のよさがしっかりわかり、
使ううちに色が育ち、変化するようすも見られます。
この椅子を作っているのが、木工作家の田中英一さん。
みずから率いるlaboratoryでは、
年間30園の幼稚園や保育園の椅子をつくり、
その数はここ7、8年で7,000脚以上をかぞえます。
これまで、幼稚園や保育園のためだけに
つくられていたこの椅子を、
今回の「生活のたのしみ展」では、
一般のご家庭用として、
はじめておすそわけします。
田中英一さんとlaboratoryは、ふだん、
注文家具やカトラリーをつくっています。
赤ちゃんが最初に使う「ファーストスプーン」や、
保育園での家具のお仕事で、
「キッズデザイン賞」を受賞しています。
ほぼ日では、昨年、「木の匙」をご紹介しました。
田中さんが手がけるものは、どれも手触りがよく、
木の心地よさを五感で味わうことができるんです。
■ほぼ日の記事「指の匙、壊れる椅子。」
https://www.1101.com/store/donabe/laboratory/
田中さんの「こどものいす」は、
ほぞ組みとボンドの接着を併用した、
とてもじょうぶなつくり。
ですけれど、幼稚園などに納めるときは、
先生たちに「ちゃんと壊れますよ」
と、説明するそうです。
もっと壊れにくくすることもできますが、
壊れないものに対して、こどもは、乱暴になる。
乱暴にあつかえば、じょうぶな椅子も、壊れます。
壊れた椅子を、家具屋さんが修理してくれる。
その場を子どもたちに見せることも、
「こどものいす」の役目だと、
田中さんは考えているようなのです。
だからこそ「ちゃんと壊れる」椅子。
とはいえ、これまでの7,000脚以上のなかで、
もとどおりにできないほど壊れたものは、
たった3個、だそうです。
このお店に並ぶ「こどものいす」は、2種類。
「すわるのいす」と「ほいくのいす」です。
▲「すわるのいす」(本体価格 41,472円 税込)
※発送の場合、梱包材費と送料が別にかかります。
▲「ほいくのいす」(本体価格 38,232円 税込)
※発送の場合、梱包材費と送料が別にかかります。
「すわるのいす」は、
人の手でつくられる美しいカーブを生かしたもの。
床に接触するところが多いので、とくに丈夫です。
「ほいくのいす」は、スタッキングできるかたち。
大勢のこどもたちが集まる場所で、収納に便利です。
こどものいすにすわってもらえるのは、
つかまり立ちができるようになる、生後8か月くらいから、
小学校に入学する前くらいまでのこどもたち。
座卓やローテーブルにちょうどよい高さ。
お尻の高さとテーブルの高さのバランスがよく、
食事をするときに姿勢よくすわれます。
「生活のたのしみ展」店頭での販売のほか、
「生活のたのしみ展webストア」では、
一部の商品を受注販売します。
お届け時期は12月中旬です。