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H.P.E.谷由起子
ラオス北部の山岳地帯ルアンナムターには、
木綿は種から、絹は蚕から育て、糸を紡ぎ、
それを織って布にするまでのすべてを
人の手でつくっている少数民族のひとたちがいます。
かれらと一緒に暮らし、
みずからのアイディアをくわえてプロデュースし、
布をつくっているのが、谷由起子さん。
H.P.Eは、谷さんがラオスでつくった現地法人で、
かれらがつくった布や布製品を販売しています。
谷さんの、ラオスの布との出会い、お仕事、
そして布への思いについては、「ほぼ日」でも
これまで何度もご紹介してきました。
■「布のきもち」(2011年)
http://www.1101.com/cloth/2011-11-10.html
■「布のきもち。ラオスの布2016」
http://www.1101.com/cloth2016/index.html
■「布のきもち。ラオスの布 谷由起子さんの「あれから」編(2015年)
http://www.1101.com/cloth/index.html
■「手仕事には未来がある」
http://www.1101.com/teshigoto_talk/2016-02-02.html
最近ではTBS-TVの「世界ふしぎ発見」にも登場したので、
ごらんになって覚えているかたも多いかもしれませんね。
■世界!ふしぎ発見 バックナンバーページ
http://www.tbs.co.jp/f-hakken/bknm/20170204/p_2.html
■そのほか、youtubeに番組があります。
https://tv-trip.com/sekai-laos/#i-8
https://www.youtube.com/watch?v=-QOmLdzQ2X0
「生活のたのしみ展」に、
「H.P.Eのラオスの布」のお店が出るのは今回がはじめて。
そこにメインで並ぶものは、「豆敷」という、
コースターくらいのちいさな敷物です。
とても繊細でうつくしい手縫いの技術が、
ちいさな布に、ぎゅっ、と凝縮されています。
ルアンナムターには、
いくつかの民族が暮らしていますが、
この豆敷をつくるのは、「レンテン」のひとたち。
綿花の種を蒔き、育て、
糸を紡いで織って染めた布は、
たいへん着心地のよい服になるのです。
レンテンのひとたちは、日常の衣類には刺繍をしません。
ただ、結婚式のときの靴や持ち物などには、
こまかい刺繍がいっぱいしてあるのだそう。
それを見た谷さんが、
「自由に刺繍をしてみてください」とお願いして、
この、個性ゆたかな「豆敷」ができました。
刺繍につかう糸も、手紡ぎ、手染めなんですよ。
▲こちらは、豆敷をつなげた大きな布。
お店には、豆敷のほかにも、
おなじようにつくられた手縫いの服やショール、
糞掃布(ふんぞうえ)※という、
古い布のパッチワークなどが並びます。
手縫いの服やショールは、大きさや種類によって、
1万円台から4万円台までさまざまです。
すべてが手づくりの1点もの。
生活のたのしみ展のウェブショップでの販売はありませんので、
ぜひ、お店に来て、じっさいに触れていただきたいのです。
自給自足の生活の頃から、家族のためにつくられてきた、
素朴で、力強く、健康的で、心がこもった布は、
ひとつひとつ、色味も手触りも違います。
その表情をたのしみながら、お買い物をしてくださいね。