そら植物園

桜の花束店

桜の花束店って、どんな店?

プラントハンターの西畠清順さんによる「そら植物園」が、
桜だけを並べる特別な花屋さんを開きます。
家で開花をゆっくりたのしんでいただけるよう、
つぼみをたくさんつけた枝をとりそろえています。

ご用意したのは、
ヒガン・ケイオウ・ヨシノ・アタミ・カンザン、5種類の花束と
(もしかしたら当日、スペシャルでほかの種類の桜も並ぶかもしれません)、
アサヒヤマやフジシダレの鉢植えです。
王道の桜、可憐な桜、丈夫な桜、
桜それぞれにキャラクターがあります。
お気に入りを見つけて、家で「お花見」をどうぞ。

西畠清順さんって、どんな人?

世界中を飛び回り、植物を収集するプラントハンター。
1年間に飛行機に乗る回数は約100回以上!
企業、団体、行政機関、プロの植物業者からの依頼が、
世界中からやってきます。
あちこちの施設、イベント、映像作品に、
めずらしい植物や迫力のある木、
印象的な庭を演出するなど、
植物に関するまざまなプロジェクトを担当します。
「そら植物園」代表。
「人の心に植物を植える」ことをモットーとする活動を続けています。

西畠清順さんの、生活のたのしみは?

植物でいっぱいの日々をすごしていらっしゃる清順さんに、
生活のたのしみについて、訊いてみました。

清順さん
「毎日、大好きな植物と仕事をしていて、
それをたくさんの人が待ってくれてるのがまず
とてもたのしいです。
あとは、ぼくの娘がこのごろ
『どうやら私のお父さんは、公園をつくってる人や』
ということがわかってきたようで、
町なかで大きな木を見るたびに
『父ちゃんのオリーブ』などと
言うようになってきました。
木を植えている仕事をしている、ということを
自分の子どもにだんだんと知ってもらうのが、
とてもうれしい毎日です」

生活のたのしみ展では、
毎日の暮らしがたのしくなるものを
たくさん取り扱う予定なのですが、
清順さんの愛用の品があったら、教えてください。

「いちばん愛用しているのは‥‥」

しているのは‥‥

「髪をしばるゴムです」

ああ、清順さんのちょんまげヘアーをつくっている、ゴム!

「はい(笑)。
でも、これ、こういう、
あまりかっこよくないものかもしれないですけど、
とても便利ですよ」

これが、いちばんの愛用品。
昔の電話の受話器コードのようなタイプのゴム‥‥。

「あとは、植木のはさみとかは、
もちろん愛用していますけど‥‥そうや!
この靴、これは愛用しています。
つまり、ぼくが好きなのは、紐のない靴です。
紐のある靴は、ぼくは絶対にはかないです。
持っていたものをある日全部捨てました」

なぜですか?

「紐を結んでる時間がもったいないからです。
紐を結んでいる時間を積み重ねたら、
けっこう人生を使ってしまいますよ。
今日はたまたま寒いから靴下をはいていますが、
ふだんは靴下もはきません。
ボアつきで、靴下をはかなくてすむ靴が大好きです」

靴紐を結ぶ時間というのは、
考えたことがありませんでした。

「ベルトもしません。ベルト不要のズボンが好きです。
ゴムとか紐のズボンしかはかない。
月に15回ぐらい飛行機に乗るので、
保安検査でベルトのせいでピッとひっかかったら
めっちゃムカつくんです(笑)」

なるほど。
世界を飛び回り、飛行機に乗る機会が多い。
植物が相手ですから、
採取したりディスプレイするときに、
脚立に乗ったり台に乗ったり
木に登ったりすることも多い。
「紐がない靴」「ベルトのないズボン」は
清順さんにとって必須といえば必須ですね。

「とりあえず時間がないんで、
ぜーんぶラクな方向に行ってしまいます」

もしかして、髪型もそうですか?

「そうそう。
薄くなったら丸刈りにするけど、
それまではこれがラクなので、
という理由です」

清順さんは、
生まれた家が植物屋さんだった、
ということももちろんあると思いますが、
なぜそんなに植物が好きなんですか?

「ぼくは植物が好きですが、
好き、というのは
いろんな『好き』があると思います。

人間相手でもそうだと思いますが、
興味を持ちはじめたときは、
いいところばかり見えます。
見た目がタイプだな、興味があるな、と思って
どんどん好きになっていきます。
その段階の気持ちは、とてもピュアなものです。
植物に対してそう思っている時期が
ぼくにもありました。

でも、ずっとつきあっていると、
うまくいかなかったり、思い通りにならなかったり、
相手の気持ちがわからなくなることがあります。
嫌な部分も見えてくる。
でも、それでもずーっといっしょにやっていくと‥‥
そこからです。
ほんとうの『好き』は、そのあとにやってくると
ぼくは思います。

いっしょにいなきゃ、しかたがない。
植物によって、ぜんぶを俺は、与えてもらっている。

だから、好きというよりも、
ぼくのすべてです。
そういう感じで、ぼくは植物を大好きです」

西畠清順さんに訊く、桜の魅力のコンテンツを
3月14日から、ほぼ日刊イトイ新聞で連載しました。
ぜひこちらから、お読みください。