Roundabout・OUTBOUND

小林和人の道具店

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生活道具、バッグ、洋服、雑貨──、
暮らしにまつわる
さまざまなものを集めて販売する、
東京でも人気のセレクトショップ
「Roundabout」と「OUTBOUND」。
その店主である小林和人さんが、
3日間だけのお店をひらきます。


▲小林和人さん。

小林さんが選ぶものは、
長く愛されているロングセラー商品だったり、
端正で美しい工業製品だったり、
素朴な雰囲気を持つ
手仕事の作品だったりと、さまざま。
すべて小林さんの感心と共感に
根ざしたものたちが集められています。

柔らかいスウェードの馬革を使った
使い勝手の良いバッグ、
何十年と使えるドイツ製のフライパン、
開けると木の香りが匂い立つ
オーバルボックス‥‥などなど。
「こんなものが欲しかった!」
そんな気持ちになれるお店です。

会期中、小林さんがお店に立ちますので、
いろいろ質問しながら、
お買いものをたのしんでください。
贈りものを探しているかたにも、おすすめです。

「Roundabout」と「OUTBOUND」のこと。

小林和人さんは、代々木上原にある
「Roundabout(ラウンダバウト)」と
吉祥寺にある「OUTBOUND(アウトバウンド)」の
ふたつのお店を経営しています。

「『Roundabout』は、暮らしにまつわる
実用的なものを提供する場所です。
それに対して『OUTBOUND』は、
必ずしも特定の用途ありきではない、
少しだけ非日常に針の振れた温度のものも提供していく場所。
でも境目はわりとあいまいなんです。
見て触れるためのオブジェ的なものも、見立て次第で
機能が生まれることがありますし、
反対に道具として作られたものも、
使うこと以上の価値を
もたらしてくれることがあると思うんです」

小林さんが日用品や雑貨に
興味をもちはじめたきっかけは
中学生時代の図書館がきっかけです。

「ルイジ・コラーニという
ドイツ人のプロダクトデザイナーの
作品集がふと目にとまりました。
開くと、流線形を大胆に取り入れた
未来的なデザインばかりで、
はじめてそれを見たとき、
『家にあるものと全然違う!
こんなかっこいい世界があるんだ』
とびっくりしました。
その驚きが「もの」への興味の
原点となっているのかもしれません。
たとえば『Roundabout』で扱っている
ステンレスの角バットや、計量カップを
店頭に積んだり並べたりしたときに、
リピートされる気持ち良さというか、
『反復の美』を感じます」

こういったことは工業製品ならではの美しさ。
そんな整然とした世界が好きな一方で、
小林さんは手仕事から生まれるものにも、
魅力を感じています。
じつは「ほぼ日」では、以前紹介した
ラオスで少数民族の人々と一緒に布を作っている
谷由起子さんを私たちに紹介してくださったのも、
小林さんでした。

小林さんがお店をはじめたのは、
大学を出てすぐのことでした。

「1999年の5月頃、吉祥寺の
古いビルとの出会いがきっかけで、
数名の友人たちと、いまの店の原型となるような
1週間限定の店をやったんです。
そこで自分たちなりの手応えを感じて、
同じ年の夏に本格的にスタートすることになりました。
でもだんだん仲間が
別のやりたいことを見つけて辞めていって、
1年後には、ひとりになってしまいました。
ある意味でそこからが今の体制の始まりと
言えるのかもしれません。
それまでショップで働いた経験すらなかったので、
『上代(売値)・下代(仕入れ値)』
という意味も最初はわからなかったほどでした」

そんなふうにゼロから積み上げてきた
経験があるからなのか、
小林さんのお店は、
ほかのどんな生活雑貨のお店とも違う、
独自の空気が流れています。
店内に流れる音楽、ものの並べ方、
すべてが美しく計算されている‥‥ように
思えるのですが、
そこには「やわらかさ」があり、
不思議と敷居の高さを感じさせません。

「いいものを紹介していきたいけれど、
一方で『いいもの原理主義になっちゃうと良くないな』
と思う自分もいたりして、
『究極の美を求めて』というような
崇高な動機でやっているわけではないし、
『愛すべきダメなもの』みたいなものも
けっこう好きなんです(笑)」

愛すべきダメなもの。
そういう小林さんの「懐の深さ」が、
お店の居心地の良さにつながって、
独特の空気を生み出しているのかもしれません。

どんなお店?

「ものには、存在することで、
豊かさのような価値を生み出す
働きがあるんじゃないかなと思っています。
たとえば実用的な道具であっても、
『このカップでお茶を飲むと、やっぱりおいしいな』
と思ったり、
『この万年筆で机に向かうと、なんか背すじが伸びるな』
と感じたりする働きがあると思うんです」

そんな小林さんが「生活のたのしみ展」用に
用意してくださったものを、いくつかご紹介しますね。

■kläuse(クロイゼ)
石原英樹の「レザーバッグパック」

¥59,000+税

柔らかいスウェードの馬革と、
かための牛革の組み合わせが
かっこいいバッグです。
容量によってベルトの位置を変えられたり、
側面から荷物を取り出せたりと、
使い勝手の良さも特長。
kläuseデザイナーの石原英樹さんが
背負っていた自作のバッグを、
ひとめ見て気に入った小林さんが
「Roundabout」で扱うようになったものです。

■IFUJI BOXMAKERの「オーバルボックス」
#4 ¥14,000+税
#6 ¥19,000+税

蓋を開けたときに、木の香りが匂い立つ、
美しい曲げ木の箱です。
IFUJI BOXMAKERを主宰する
木工家の井藤昌志さんが
アメリカでシェーカー教徒の間で
受け継がれていた伝統の製法を
忠実に踏襲し、製作しました。
さまざまなサイズがあり、
小物や文具を美しく収納できます。

■Turk(ターク)の「クラシックフライパン」
24cm ¥20,000+税

ドイツの鍛冶職人によって
1857年より作られている
ロングセラーの鉄製フライパン。
使う前には「焼きならし」が必要で、
使用後にも油をなじませて手入れするなど、
扱うのに手間がかかりますが、
そのぶん、正しく使えば一生もの、
といわれるほどの耐久性です。
「焼いている」実感が持てるフライパンです。

ここでご紹介したものは、もちろんほんの一部。
当日は、小林さんが「Roundabout」と「OUTBOUND」から
厳選した商品が、店内にたくさん並びます。
「ものが最も美しくみえる置き方をしたい」と小林さん。
手を動かしながら配置を考えるタイプとのことで、
実際にどんなお店になるかは、当日までのおたのしみ。
そのディスプレイにもぜひ注目してくださいね。

「お店は『こういうものがあったら便利なのに』を
解決する場所にもしたいし、
贈りものを探している方には、
『こういうものはどうですか』と
提案できる場所にもしたい。
お客さんにとって、来てくださった瞬間より
帰って行かれるときのほうが
少しでもいい気分になってくださったら何よりです」