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味坊
中国東北地方の家庭料理を楽しめる、
知る人ぞ知る神田の名店「味坊」が厳選した
18品が詰まった、大満足のおべんとう!
2000年に、神田のガード下でひっそりとオープンした
「味坊」(あじぼう)。
店主の梁宝璋(リョウ ホウショウ)さんがつくる
黒竜江省(中国東北地方)の家庭料理の味は、
ジワジワと話題を呼び、いまや3店舗に増えたお店は、
付近で働く人たちやらわざわざ訪ねてきた食通たちで
連日にぎわいを見せています。
そんな梁さんに、今回、無理を承知で
「おべんとうをつくってください!」
とお願いをしたところ、快く引き受けていただくことに!
そしてできあがったのが、
この「呑ん弁」(のんべん)です。
「ちびちび食べながら、
おいしいお酒を心ゆくまで味わって欲しい」。
梁さんのそんな思いが詰まった、
呑ん兵衛のための“おつまみべんとう”です。
ふたを開けると、コンパクトな容器に入りも入ったり18品。
梁さん、いったいどのようなコンセプトで
この18品を選んだのでしょうか?
「今回はおべんとうということで、
冷めてもおいしいもの、
という点を何よりも重視しました。
当然、汁ものは難しいですしね。
あとは、味のバランスを重視しました。
肉と野菜、甘さ、辛さ、酸っぱさ‥‥。
いろいろ考えた結果、
普段お店で出している中国東北料理だけではなく、
中国全土のおいしいものを
詰め合わせようということになりました。
とはいっても、ピータンや牛のアキレス腱は、
わたしが生まれ育った黒竜江省の郷土料理ですし、
香辛料の入ったスパムも、
ハルピン腸詰めの味に近いと思います。
ちなみに、これらの料理は、
普段はお店でも出していません。
今回選んだ18品の中で、お店でも食べられるものは
“大根の漬け物”と“羊肉”くらいかな」
なんと! 「味坊」を知っている人にも、
知らない人にもたまらない、
希少価値の高いおべんとうなわけですね。
それでも、「味坊」の看板というべき
羊肉が入っているのは、嬉しい限りです。
「羊肉は時間が経つと固くなってしまうので、
今回採用するかどうか悩んだのですが、
もも肉だったら脂が少ないので大丈夫かなと。
それで結局、丸焼きをスライスして、
一切れ入れることにしました」
そのほか、いろいろな“おかず”が入っていますが、
珍しいものでいうと、何がありますか?
「鴨の舌ですかね。香港料理ではポピュラーですので、
食べたことがある人もいると思いますが、
“おべんとう”の具材として採用されるのは、
もしかしたら日本ではじめてではないでしょうか!
とてもおいしいので、ぜひ味わってください」
というわけで、梁さんが選び抜いた18品を、
ご紹介いたします!
「ショウガとネギと八角を入れた塩水に、
生の海老をしばらく浸けてから茹でています。
薄味だけど、ほんのり塩味がしっかり入っていますよ」
「花椒、唐辛子、醤油、砂糖で味付けしました。
辛みの効いた味わいが、
ビールやワインにぴったりだと思います」
「中国東北地方の郷土料理です。
肉を煮る時に、20種類のスパイスを入れています」
「豚バラの煮込みです。とっても柔らかいですよ。
八角の香りも楽しんでください」
「挽肉を型に入れ、卵の黄身を塗って蒸しています。
香辛料が入っているので独特の風味がすると思います。
中国東北地方の郷土料理のハルピン腸詰めに
近い味わいです」
「ピータンを鶏のもも肉で巻き、それから蒸しています。
ピータンも、中国東北地方の料理なんですよ。
ご存じでしたか?」
「ほんのり甘い、『これぞ中華のチャーシュー!』
という味わいだと思います。後味がいいですよ。
ハチミツで甘さをつけ、腐乳で赤みを付けています。
ちなみにこの味付けは広東料理から来ています」
「スパイスに漬けてから焼き、
その後で骨を外しています。これも自信作です」
「日本の天ぷらとちょっと違って、
薄いパンに包まれているような食感です。
茭白竹(まこもだけ)にも、
衣にも味が付いているので、
そのままおいしく食べられますよ」
「ピリッとした塩味が効いています。
食感といい味といい、いい箸休めになるかなと」
「肉が中心のおべんとうなので、
バランスを考えて入れました。
ごまの香ばしさが口の中で広がります」
「材料は、豚肉、ニンジン、アスパラ、タマネギ、
しいたけ。肉にしっかり味が付いているので、
お醤油はいらないと思います」
「小籠包みたいにツユが出るので、
一口でパクッと行ってください!」
「鶏肉、ゴボウ、ニンジン、山芋が入っています。
さっぱりした味わいです」
「こちらも箸休めになればと入れてみました。
甘さは控え目にしてあります」
「ブロッコリーとアスパラを、
ごま油でサッと茹でました。
肉との相性もいいと思います」
「お店でも人気の、酸っぱくて辛い漬け物です。
口の中がさっぱりしますよ」
「羊の脂は融点が低いので、
時間が経つとすぐ固まってしまうんです。
なので、おべんとうには向かないかなと思いましたが、
やっぱり『味坊といえば羊肉』という期待に
応えなきゃと思い、丸焼きのスライスを入れました!」
いろいろな食感と味付けのお肉、
箸休めの昆布や梨や漬け物、
そして少しとはいえちゃんと入っている炭水化物‥‥。
試食をして思ったのですが、
ここまでひとつひとつ素材と味が変化するお弁当って、
なかなかないんじゃないかと思います。
「生活のたのしみ展」でしか味わえない
「味坊」のおべんとう、
ぜひ、楽しみにしていてください!