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山本千織
「chioben(チオベン)」という
不思議な名を、聞いたことはあるでしょうか?
料理家の山本千織さんが腕を振るう、
おべんとうスタジオの名称です。
2011年に代々木上原でスタートするや、
ロケ弁(テレビや雑誌などの取材時に、
スタッフにふるまわれるおべんとう)や
ケータリングといったかたちで、
chiobenに触れた人たちの口コミで噂が広まり、
瞬く間に熱烈なファンの数を増やしていきました。
人気の理由は、
仕出しのおべんとうの常識を覆す「見た目」と、
期待を裏切らない(どころかうわまわる!)「味」。
そしてそれを生み出しているのは、
美大出身で、研究熱心で、旅が大好き‥‥
という山本さんの個性にほかなりません。
アジアを中心に、世界各国の料理のエッセンスを
取り入れることで生まれた“味覚のミックス感”を、
山本さんの色彩感覚や造形的センスでもって
視覚的に表現する。そんなchiobenのおべんとうを、
「生活のたのしみ展」では2種類ご用意いたします。
気になる中身について、
山本さんが解説してくれました。
「今回ご提供させていただく2つのおべんとうには、
それぞれ『たのベン』と『ほぼベン』という名前を
付けてみました。
『たのベン』は、ごはんと小ぶりなおかずが
何種類も入っていて、
開けるとパッと楽しい一段のおべんとうです。
こちらは、chiobenのスタンダードな
おべんとうを意識しました。
おかずは、だいたい11種類くらい入れる予定です。
たこめしや春巻きといった、
『これぞchioben』という品目は入れつつ、
普段のおべんとうには入っていないおかずも
今回は入れてみたいと思っています。
ですので、chiobenファンの方には新鮮な驚きを、
はじめての方にはchiobenのエッセンスを、
それぞれ感じていただけると思います。
もうひとつの『ほぼベン』の方は、
のっけ弁当、いわゆる丼ものにしました。
最初は、ケータリングの時にもよく作る
牛肉のビビンバにしようかと思ったのですが、
今回の『生活のたのしみ展』には
和知さんや味坊さんのおべんとうも出ますので、
お肉ではなく、お魚にした方が
来られる方々の選択肢が増えるかなと判断し、
『白身魚のラープ』にしてみました。
ラープというのはタイ料理です。通常は挽肉を使うのですが、
今回は崩した白身魚で作ってみたいと思います。
水を入れてしっとりと白身魚を炒めて、
それにミントと赤タマネギを加え
最後にお米を煎ってすりつぶしたものを混ぜます。
水分が加わっているので、食感はねっとりしているのですが
酸味も香ばしさもある、というのがラープの特徴で
ごはんにかけると、どんどん進みますよ!
そんなラープに加えて、割り干し大根のきんぴらとお漬物を添えたものが
今回の『ほぼベン』になります」
おべんとうの内容を聞いているだけで、
お腹がへってきちゃいそう。
「たのベン」も「ほぼベン」も、早く食べたい!
「せっかく『たのしみ展』に参加させていただくので
わたしたちもたのしみながら、
いつもと違うおべんとうをつくりたいと思います。
『そう、これこれ!』という感じはありつつ、
『あれ、いつもちょっと違う!』というおたのしみもある。
そんな2つのおべんとうを、ぜひ味わってみてください!」