増田セバスチャンさんの、買い付けの話。

たのしみコラム2017-03-14

今回、アトリエのみなさんと
クマのぬいぐるみ作品『Your Bear』のお店
「Your Bear Store」をオープンする、
アートディレクター/アーティストの
増田セバスチャンさん。

取材のときに教えてもらった
作品の材料の買い付けの話が
おもしろかったので、ご紹介させてください。

「今回の『Your Bear』もそうですけど、
ぼくらの作品は、世界中から集めてきた
素材を使って制作しています。
アジア、アメリカ、ヨーロッパ‥‥。
日本製も、なきにしもあらずですね。
そういったものがいろいろ混ざってます。

どうやって素材を集めているかというと、
毎回、たとえば
『着ぐるみ3体には手元の素材が足りないな。
じゃあ、ちょっと‥‥いってくるか!』
みたいな感じで買ってくるんです。
いちどに数百キロとかを集めるので、
なんだか苦行のようですけど(笑)。



お決まりの場所を訪れるのもありますけど、
毎回けっこう初めての場所にも出かけます。
『この地域にありそう』とかあたりをつけて、
キョロキョロしながら街を歩くんです。
ごみの山から宝石を見つけるような作業で、
なんだかプラントハンターのような感じ(笑)。
一回通りすぎたところを
また戻るとかもよくやりますね。
 
ぼくらが欲しい素材を扱うような工場って、
とくに看板とかないんです。
ただ、ぼくはなんだか、
そういう嗅覚が発達しているみたいで、
門がまえなどを見て
「ある」「ない」「このへんにありそう」
「これがあるなら、ポンポンはこの近くかな」とか、
すごく勘がはたらくんですね。
初めての場所でも、市場がどこにあるとか、
そういうのはなぜかわかる。
20年アパレルをやってきている経験も
役立ってる気がします。
それで、マネージャーといっしょに、
各国の『領収書ください』という
ことばだけおぼえて、
サンタクロースのように大きな袋をかかえて、
探しては買い、探しては買い、みたいな。

ただ、ぼくらの訪れる地域って、  
アジアだけじゃなく、アメリカとかでも
夕方には走らないと危険なような
ちょっと危ない場所にあるんです。
だから「日が落ちる前に集めなきゃ」みたいな
感じになることも多いです。
ちょうどこの前のお正月も、そういう地域を
大きな袋を抱えて走り回ってきました。



そんなふうに、自分たちの足で探してきた
素材を作品に使っているので、
今回の『Your Bear』にしても、
くわしい人が見ても、知らない素材とかが
あちこちに使われていると思います。
たとえば日本でまったく流通していない
ファー素材を使っていたりするので、
『こんなファー、見たことないでしょう?』
みたいな(笑)。
マニアックな曲をかけるDJみたいな気持ちも
ちょっとありますね。
自分たちで染めたり、
型から作っているものもありますし。
だから、ぼくらの作品はそういった意味でも、
ほんとうに他にない
一点ものになっていると思います。

‥‥あ、そういう買い付けが
ぼく自身の『生活のたのしみ』かどうか?

うーーーーん。
いい素材を見つけたときはすごくたのしいですけど、
毎回数百キロとかの量を集めてきて、
結局その梱包も、発送も自分たちでするので、
やっぱり苦行のようなところもあるというか(笑)。
たのしいだけの仕事はないですよね。
とりあえず、疲れたら目が曇るので、
甘いものを食べたりして、
自分たちの気持ちを奮い立たせつつ、
街を練り歩いています。



じゃあ、ぼくの『生活のたのしみ』は、
──といってもいま、ぜんぜんできてないですけど──
料理を作るのが、実はけっこう好きですね。
みんなに食べさせるのが好きなんです。
そのうち、アトリエのみんなのごはんを
作ったりしたいな、と思っています」

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