息抜きは、ごはん。

たのしみコラム2017-03-02

「“生活のたのしみ展”って聞いて、
それは私のこと? と思ったくらいなんです」
と、shinoさんは笑顔でいいます。

ふだんの生活のなかにこそ
クリエイティビティがあり、
生活と仕事の境目を、
shinoさんはあまり意識していないのだそうです。
仕事のために生活があるのでも、
生活のために仕事をするのでもない。
どちらにも、くくりがない感覚。
「好きなことを仕事にさせてもらっているというのが、
すごくしあわせなことだと思う」

とはいえ、アトリエのようすを見学していると、
チョーカーづくりも、ベレーの仕上げも、
なかなかに地味で孤独な作業。
買い付けのとき以外はプラハの自宅兼アトリエに篭り、
日がな一日、机に向かっているのが仕事です。
そこには、独自のクリエイティビティはもちろん、
集中力と持続力を必要とします。



shinoさん、その「作業」以外で、
たのしいことといえば?

「やっぱり、ごはんをつくってるときかな」

仕事をしていて疲れると、
キッチンに行ってお茶をいれたり、
「疲れたからちょっと料理しようかな」と思うそう。
それが息抜きであり、たのしみ。
仕事と生活を別にするという考えがないからこその、
自然な在り方のようです。
仕事場と台所を行ったり来たり。
なんだかまるで小さな個人商店のおかみさんみたいです。



チェコにいて面白いのは、
調理道具や食器など、ふだん使うものに、
「古いもの」が現役でたくさんあるということ。
「これ、なんだかわかりますか?」
shinoさんが手にしたのは、
陶器と金属でできたふしぎなかたちの道具。



‥‥うーむ。ぜんぜんわかりません。
たぶん料理に使う道具だとは思うけれど。

「これは、さくらんぼの種を取る道具。
ちょっと古いものだと思います。
コンポートやジャムをつくるときに使うんですよ」

なるほど、そんな専門的な道具が!

「ではこちら。これは新しいものだけれど、
何に使うかわかりますか?」



木の持ち手に、串が3本。
‥‥リリアン?



「これは、熱々のゆでじゃがを刺して、
皮をむく道具なんですよ」

って!!
そんなふうにshinoさんのキッチンには
古いものと新しいものがいっしょくた。
そういえば、shinoさんのつくるものも、
古いものと新しいものがいっしょくた。
それがなんだか、とってもたのしいのでした。