TAMPICO

生活の道具としてのタンピコ

市場にでかける、庭に出る、
海岸でくつろぐ、家をととのえる。
フランスの人たちの「ふだんの暮らし」から生まれた
布のバッグ、タンピコ。
これまで日本ではショップを持たなかったタンピコが、
はじめてのポップアップストアをつくります。

タンピコは、丈夫で質のよい布を素材に、
シンプルな縫製でつくられたバッグ。
フランスのボルドー郊外、ミュシダンという町で、
1990年にうまれました。
つくったのは、ニコルさんという女性。
現在は、パートナーで実務担当のディディエさん、
ニコルさんの娘のジュリーさんの3人が主なつくり手です。

フランスのひとたちが、あたりまえのように、
毎日のようにつかう素朴なバッグ。
ふだんの生活のなかで、
使い勝手のよい道具のように、いつもそこにある。
そんな使い方の提案とともに、
過去のアーカイブ作品もふくめ、
いろいろなサイズ、かたちのタンピコが集まります。

TAMPICOを紹介している吉川さんって?

タンピコのお店を担当するのは、
「STAMP AND DIARY」という服飾ブランドを手がける
吉川修一さん。
ほぼ日では「白いシャツをめぐる旅」
おなじみのブランドです。
そして吉川さんの会社「STAMPS」では、
服をつくる仕事と並行して、
タンピコの輸入を手がけているのです。

吉川修一さんは、アパレルにたずさわって約30年の
2013年に、STAMP AND DIARYを立ち上げました。
欧米の“ふつうの”大人たちのファッション、を
コンセプトに、素材やかたちを大切にした服づくり。
その吉川さんは、20年以上前から、
タンピコのことは知っていたのですが、
ちょうど、独立したころに縁あって、
以前担当していた輸入代理店の方針転換のタイミングで、
タンピコの輸入を任されることになりました。

年に数回、展示会で新作を発表するタンピコ。
フランスに出向いてニコルさんたちに挨拶、
買い付けをするところからスタート。

ただ、フランスで、日々の暮らしとともにあるタンピコは、
基本的には“とても大きなバッグ”です。
タオルやビーチマットをぽんぽんと入れて、
海岸に行くときのビーチバッグとして。
雑誌や本を入れて、部屋から部屋へ。
クッションやブランケットを入れて、ベッドのそばに。
そんなふうに使われるのがふつうなんですね。

ですから、はじめの頃は吉川さんも、
びっくりするようなことがあったそうです。
それは、最初に発注したサンプルがとどいたときのこと。
包みをあけてみると「えっ! すごく大きい!」。
それは、日本の女性たちが
街歩きのバッグとして使うには、大きすぎました。

そこで吉川さんは思い切ってニコルさんたちに、
サイズの縮小や、
デザインのアイデアを投げることにしました。
「70%くらいの大きさにしてください」とか、
「持ち手は革じゃなく布にしてみたいです」という提案、
最初はしょうじき「通るのかな?」と
心配だったといいますが、
ニコルさんたちの理解があり、
スムーズに製品化されることになりました。

つまり──ご本人はそう思っていないようですが──
日本で入手できるタンピコは、
吉川さんがレディスブランドをつくってきた「眼」で
プロデュースした、共同作品のようなものです。

どんなお店?

今回のタンピコのお店は、
“生活の道具としてのタンピコ”を
あらためて紹介する、ということがテーマです。
バッグは、ファッションであるよりも前に、
ライフスタイルそのもである、という考え方です。

今回ならぶバッグは、色は白が中心。
スタイルは、25種類あります。
新しいものはもちろん、
アーカイブともいえるタンピコを
復刻したバージョンもならびます。

タンピコには「定番」という考え方は
はっきりとはありませんが、
「ライン」ともいうべき基本のかたちがあり、
でも現在はつくられていない、
とてもいいスタイルのバッグもあります。
そんな「良質なアーカイブ」を
コレクションしている吉川さんは、
過去のデザインからいくつかを
ニコルさんたちに頼んで、
作り直してもらうことにしました。

お店には吉川さんはじめ、
STAMPSのスタッフが常駐します。
「どんな使い方ができる?」
「どんなファッションと合わせたら?」
というような質問にもお答えできますので、
どうぞ、遊びに来てくださいね。